11月20日。晴れ。社交の予定があり朝からバナナの写真を撮りそびれた。朝はバナナで昼はうどん。でもしそに花が生えてたんでそれだけは撮った。

しその花

 今日の社交は後から考えれば映画のパラサイトみたいだった。社交することになったきっかけからして、友人の誘いで、就職の口が見つかるかもしれないよと言われてのことだったし。それでその人と一緒にある家庭に訪問することになった。

 彼らは親切に迎え入れてくれ、ごちそうを用意してくれ、庭も見せてくれた。家族のことを幸せそうに語り、当たり前のように家族のことを聞かれ、私の親が離婚したことを聞くと、眉を下げて同情してみせてくれた。嫌味じゃなく、とても親切な人たちだった。

 それに対して、みみっちい私は同情されたのを帳消しだと思ってほしくなり、そのあと初対面の相手に虚勢を張り、全てうまくいっているというふうに語ってしまった。全てうまくいっているわけではない。

 帰り、いただいたお土産を提げながら、そういう自分について思い出してしまって嫌悪した。誘ってくれた友人がいなくなると抑える必要がなくなり、私は一生こういう構造に気付いて戦いたくなる自分に傷つき続けるのかとか、何もうまくいってないわとか、落ち込むのに歯止めが効かなくなって、家に着いたら、布団を入れてるところに顔を突っ込んで泣いた。しばらく泣いたら元に戻った。

 というわけであまりいい日とは言いがたいけど、昼ごろ、集合時間よりだいぶ早く着いてしまいそうになったので、途中下車して何駅か歩いたことがあった。それはとてもよい時間だった。一生散歩だけしていたい。かわいいハトの写真で終わりです。

ハトのモニュメント
ハト

B

朝 柔らかくない
昼 ジンラーメンうまい
夜 カボチャ等の味噌汁

 11月17日。晴れ。最近ずっと晴れてる。今日は外出せず。ずっと転職サイトに命じられるままに志望動機を書いてた。電話もあった。

 まず嫌な電話。けっこう前に、派遣サイトAに登録してみて一つ選んだら、なぜか派遣サイトBを介する必要があることになり、そしてそのままBから電話が来て、うわめんど‪⋯と思って登録を進めてなかった、ということがあった。

 今日そのBから再び電話が来て、登録してくれてないじゃないですかっていう連絡だった。しかもお前行動遅いよみたいな、ハナから不機嫌そうな感じ。

 びっくりしたので相手に合わせて私が登録に関する質問をしたら、「いや・・・・・・あの笑」みたいな反応から始まる。そのあともしぶしぶ答えてやるみたいな態度。今どき中学生でもやらない喋り方。それに電話越しにときどき深めの呼吸が聞こえてきて(えっタバコ吸ってない?)っていう疑惑まであった。結局「あっ分かりましたやっときます〜」と切って、Bの諸々の登録を解除した。ナメやがって。

 ムカつくわ〜と思ってたら、今度は溌剌とした若者から電話。電話に必要ない大声で「こんにちはッ! 転職サイトで登録してくださったようでッ!」と言ってきた。一人称が「自分」の人で、ハキハキ説明してくれるのでなんかさっきの反動ですごく嬉しくてウンウン聞いてたら、そんなに行きたくないとこなのに面接することになってしまい、「これ自分の携帯なんで、場所わかんなかったらここ電話してくださいッ」と切られた。なんか勢いで押し切られてしまった。

 いきなり迫力ある感じで来るとびっくりして相手に合わせてしまう。これは相手のせいにばかりはしていられない。もっと上手くこっち側に傷のない形で受け身を取りたい。

 あと文句ばっかりのようだけど、転職サイトで転職先を探すようにするとTwitterやYoutubeまでもが隙間から就職を勧めてくるようになった。パソコンの天才たちが、何かを「入れ」たらなくなるよと言っているのは知ってるけど、めんどそうだしやる気にならない。それなら根本のSNS断ちをやったほうが楽だと思ってしまう。

 それで、まさにこういうことをやる気のない人間について、たまたま読み出した『禅とオートバイ修理技術』って本に書いてあるっぽい。以下引用。

 “彼らがテクノロジーに対して反感を抱いているように見えるのは、実は孤独な群衆の一人になり下がってしまうことに抵抗しているからなのだ。”

 “結局私たちは、このテクノロジーというものによって、自分の土地に住んでいながらなぜかよそ者に仕立て上げられてしまったのである。”

 このあときっとこういうこと言う人を説得する話が展開されていくのだと思うので楽しみ。

かむかむレモン

 11月2日。晴れ。ぬるい日。目覚めた直後に昨日またお祈りメールが来たことをまず思い出し落ち込む。そこそこ準備したのに。ということは、時間をこんなにもかけて、私にはこの職が向いていないという事実がわかっただけなのか。的なゾーンにガクッと入り込んでしまい、天気がよくてよい日差しも入ってきたのに今日はだめだった。

 朝はなし。昼はパン。夜は海鮮丼。自炊したかったのにしなかった。おやつとしてかむかむレモンを食べ、大好きなかむかむレモンですらなんか不味い気がする。うますっぱくなかった。

 今日は夜までずっと落ち込んでいた。自己批判する。昨日は選挙に関して自分が入れた政党も含めて思ったことを書いた。それでもってそれなりに私のポジションが明確になったから、それについての否定から始まった。床屋政談に過ぎないとかそういうので。やっぱり自分が表明することの自分への影響ってものすごい。

 昔『ブログを続けるコツは誰にも話を聞いてもらえない状態を作ること』ってのをTwitterで見て面白かった。ほんとそうだと思う。

 私は普段からなんでも話したいことを人に話すというよりは、会話の相手と話したいことを選びがちなので(それで国と死の話になるのか…)、支持政党の話とかって人に話してほしいと思わないから、話題として選ばない。だからそういうことを書き直しながら書くのは、社会にとって価値がないとはいえ、それなりに良い体験だったと思う。自分が何を分かってないのか分かるし。

 夜にはボランティアに行った。ボランティアの予定があって本当に助かったと思う。体を動かすことができるし、優しい人たちと健康な感じで関わることができる。

 ボランティアから帰るとき、安い骨伝導イヤホンから「未来は俺等の手の中」が流れてきて、気温も少し下がっていて電車とか自動車の車輪がすべる音と混ざり合っていたし、実に未来は俺等の手の中であることだなあ…という気分になってきた。

 すぐ帰れるのにしばらく散歩して帰ってきた。だから今は少し元気。落ち込んだときに自己批判するのであれば、いきなり外に出かけよう。冬になるのだし。

22日と23日

 10月22日。翌日の面接に向けて準備をした。養生の流れが絶え、夜には塩昆布キャベツと茄子の唐揚げ?を食べた。そのあと友達におでん屋に誘われて嫌々おでんに行った。はんぺんが最後の1個だったのでここで運が使われたと思った。長方形のはんぺん。しかし店主が「膝掛けあるからね」などと言ってくれる優しい雰囲気の人で、心あたたまった。行ってよかった。

 10月23日。面接。前回の反省を生かしたと思うけど、自分が無能だと思われてならなかった。こういう自己卑下の感じは就活の際に必ず出てくる。新卒で就活した時もそうだった。だから慣れたといえば慣れた。しかし出るものは出る。いつも使わない線の電車に乗って乗客の人たちを見てると、自分と違う点を探したくなってくる。

 面接が終わった後、コインロッカーに入れた服とスニーカーを引っ張り出してトイレで着替える。最近のコインロッカーはPASMOで使えるし、PASMOを鍵として認識してくれるから鍵を失くすこともなくなるらしい。着替えたらスーツと比べたら気合の足りない格好になる。気合の足りない格好になれると落ち着く。でも立派な駅を通る人は皆スーツかスーツに準ずる格好をしているので、外から見ると浮いてるのではないかという気がする。気のせいですが。服装で移動するってこういうことなんだろうなと思う。

 その後はまた移動して友達の新居にお邪魔する。色々しゃべる。映画で気にするところは私は風景だけどその人は服とからしい。服について気にしたことってほぼ無い。大学生になりたての頃、小説を読むときに例えば “フロックコート” とか出てくると何それといちいち検索してたけど、最近は検索しなくなったと思う。

 ジョナサンでおいしくない鶏肉の料理を食べる。でも土着のファミレスの夜はすばらしいと思う。村上春樹のアフターダークが好きだから。少しだけ荷解きを手伝って帰宅。この頃には疲れ切っていたのに判断をまちがえて歩く。寒い。スーツとかヒールはそれなりに重い。風呂で寝て起きた。